【書評】朝井リョウ/著『世にも奇妙な君物語』感想

こんにちは、上田紋です。

今回は『世にも奇妙な君物語』を読み終わった感想です。

朝井リョウさんの本は初めて読んだのですが、どの話も予想できない結末で、オチがすごくて面白かった!

 

『世にも奇妙な君物語』概要


『世にも奇妙な君物語』
■著者:朝井リョウ
■出版社:講談社
■頁:336頁
■定価:本体660円+税
■発売日:2018/11/15

オチがすごい!
いくつもの書店で週間ランキング1位に輝いた話題の小説!
異様な世界観。
複数の伏線。
先の読めない展開。
想像を超えた結末と、それに続く恐怖。
もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。
待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。
各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに――。
では始めましょう。
朝井版「世にも奇妙な物語」。
>>講談社BOOK倶楽部より

本書は2015年11月に発売された『世にも奇妙な君物語』の文庫版です。

朝井さんはドラマ「世にも奇妙な物語」が大好きで、原作となることをイメージして小説を書きあげてしまったとのこと。

ドラマでは2時間の枠に5つの物語を並べており、本書でも5つの短編が収録されています。

 

ドラマ「世にも奇妙な物語」は小学生の頃に少しだけ見たが、雰囲気やストーリー、結末が怖くて、まともに見ることができなかった。

小説として読んだら面白そうだけど、映像として見るとすごく怖かったのを覚えている。

 

本書を読んだきっかけ

JR東海電車内の広告で見て、もうすごく読んでみたくなった!

ドア横にポスターが貼ってあったのだけど、キャッチコピーにめっちゃ惹かれた。

どえりゃーオチや…!!
ラストはガチでヤラれます!

『桐島、部活やめるってよ』も『何者』も読んだことなかったけど、朝井リョウってすごいんやな。
よおこんなこと考えつくなぁ〜。

あの「世にも奇妙な物語」を直木賞作家さんが書いたら……
やっぱりでらおもろい!

私は朝井リョウさんの本を今まで1冊も読んだことがなかった。

直木賞作家とのことで、何か読んでみたいと思っていたけど、なかなか興味を惹かれる本がなかった。

でもこの広告を見て、本を読み終わったあとの満足げな自分を想像してしまった。

何かもう、この本は絶対読んでみたいって思った!

 

感想

収録されている5編とも、結末が予想できなくて面白かった!

題材がぜんぶ違っていて、バラエティに富んでいる。

人間の怖さがにじみ出ていて、単なる物語ではなく、読んでいて自分に当てはめて考えてしまった。

 

第1話 シェアハウさない

このオチは予想できなかった!

伏線がきちんと回収されていて、読後はスッキリしたが、少し後味は悪かった。

「本人が選んだわけじゃないんだよなあ。あんただってそうだろ?」って言葉に考え込んでしまった。

「俺も、好きでこうなったわけじゃないんだよ」

「俺が選んだわけじゃないんだ、こんな人生」

「だけど、俺の人生なんだよ」

自分の人生だから、好きなように生きるのがいちばんだ。

でもきっと私は気がつかないうちに人を傷つけて、迷惑をかけて、身勝手なこともいっぱいしている。

それでも自分が選んだにしても選んだわけじゃないにしても、私の人生だから、まあ楽しく面白おかしく生きていきたい。

 

第2話 リア充裁判

人の視点が変わることで、見方が全然違ってきて面白かった。

自分からは相手や環境が悪く見えたとしても、相手からは逆に自分の方が悪く見える。

相手に対する印象は、良く見えたり悪く見えたり、人によって全然違う。

人に対する判断は、自分の好き嫌いが結構関わってくる。

私からは相手に問題があるように見えたとしても、他者から見ると、私の方に問題があると見えることもあるだろう。

自分の考えと相手の考え、どちらが正しいとかではなくて、相手のことを批判しても仕方がない。

 

第3話 立て! 金次郎

怖い、これは何か怖い!

まさかこんなオチだったとは……。

自分で考えて、前向きに頑張った努力が報われて評価に繋がったと思ったら、実は手のひらの上で転がされていたという。

私も自分で考えたり頭を働かせるのは、人や環境の影響が大きい。

自分の意志だけで努力するのは、動機づけとして弱くて難しい。

私も人に認められること、人から評価されることを目標にすると、結構やる気が出る。

でも人の目線ばかりを気にすると、それは他者依存が大きくなりすぎて、他者にとって都合のいい人生になってしまい、自分の人生ではなくなってしまう。

何に影響されたにしても、どういう行動をとるにしても、一度自分の頭で考えてみることは大切だと思った。

 

第4話 13・5文字しか集中して読めな

これは恐ろしかった……。

自業自得ではあるけど、恐ろしい。

自分のした行いは、自分に返ってくる。

人にされて嫌なことは、自分もしない。

周りの人は、自分のことを思った以上によく見ている。

人の悪口とか言わないように気をつけよう。

 

第5話 脇役バトルロワイヤル

この話はすごい。

「世にも奇妙な物語」を同じ著者が5編とも書いた上で、本として出したからこその作品。

確かに脇役ってこんなセリフ言ってたような気がすると思いながら、面白く読めた。

役者さんはすごい。

「脇役がいないと、主役は存在しないのだ。」

物語を進めるカギを握っているのは脇役で、物語に様々な展開を与えているのも脇役だった。

現実において、私から見た主役は自分だ。

私は自分のなかにしか存在してないし、自分の人生しか経験することができない。

かといって、私の人生においては私が主役でも、他者の人生においては他者が主役だ。

たくさんの人が繋がり合って世界はできていて、主役も脇役もなく存在している。

 

まとめ

今回は朝井リョウさんの『世にも奇妙な君物語』を読み終わった感想でした。

初めて読んだ朝井リョウさんの本、とても面白かったです。

先の読めない展開と予想外の結末、どの話も人間の怖さが感じられました。